やる気が起きない子にやってはいけない対処方法と知っておきたいこと
親にとってはどちらも心配であり「なにか対処しなければ」と考えます。
しかし、やる気が起きない子に間違った対処をしてしまうと逆効果になるかもしれません。
今回は、親がやる気が起きない子にやりがちな「やってはいけない対処方法」と知っておきたいことをお話しします。
おどしてはいけない
やる気が起きない子に対して、おどしてやる気にさせようとしてはいけません。
例えば、受験生にもかかわらず勉強にやる気が起きない子に「こんな成績では入れる高校がないよ」や「このままじゃ学年最下位だよ」とおどしたことはないでしょうか。
おどしてもやる気は起きません。「入れる高校がない」と言われて奮起する子は相当な負けん気の持ち主です。
普通の子どもならば「それなら高校に行かないよ」や「どこかに入れるよ」と答えるでしょう。
また、最悪の事態を例に出しておどすことは「あきらめ」の気持ちを生むこともあります。
おどすことは、やる気を出させるどころか、あきらめや開き直りの気持ちを引き出すことになってしまい逆効果です。
親にできることは、おどすのではなく子どもの心に余裕を与えることです。
子どもに限らず、大人でも追い詰められたらやる気を出すどころか逃げたくなるし反抗したくもなります。
「まだこれからでも間に合うよ」と心に余裕ができる言葉をかけることで、子どものやる気は引き出せるのではないでしょうか。
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比べてはいけない
やる気が起きない子は、やる気が出せない自分を歯がゆく思っているものです。
そんなときに親から「お兄ちゃんはもっと頑張っていた」と言われたら自信をなくしてしまいます。
子どもは、やらなければならないことはわかっています。本人は自分の中で戦っているのです。
そんなときに親がだれかと自分を比べて「あなたの方がダメ」と言ってしまったら戦う気力を失ってしまいます。
親は、自分の子を身近なだれかと比べがちです。しかし、比べることは意味がありません。
ましてや比べることで子どもの競争心をあおり、子どもに「勝たせよう」とすることは、親自身が子離れできていないのではないでしょうか。
親にできることは、子どもひとり一人の長所をみつけて「あなたはあなたでいい」と伝えることです。
そうすることで子どもに自己肯定感が生まれ、気持ちが前向きになるのではないでしょうか。 -
褒美をあげてはいけない
やる気を出させるために「テストで100点とったら褒美をあげる」と言う親は意外とたくさんいます。
しかし、褒美をあげてやる気を引き出すことは「外発的動機付け」といい、
場当たり的で一時的なやる気になりがちです。
外発的動機付けとは、本人が自分から「やりたい」と思うのではなく、「褒美がもらえるから」「やらないとバツを与えられるから」というように自分以外のところに動機付けがあることをいいます。
一方、自分の内面から「好きだから」「興味があるから」とやる気が湧き出ることを「内発的動機付け」といいます。
やる気が起きない子に親が褒美を与える対処方法は外発的動機付けになり、
一時的なやる気は引き出せるかもしれません。
しかし、結果に結びつく本当のやる気は内発的動機が必要です。
親にできることは、子どもの好きなことや興味があることに接する機会を与えることです。
機会を与えることで、子どもは本当のやりたいことをみつけて本当のやる気を出します。 -
期待しすぎてはいけない
例えば疲れて帰宅したとき、目の前に大量の洗濯物が山積みになっていたら、片づける気にはなれません。
しかし、数枚の洗濯物だったら「えいっ」と片づける気になれるのではないでしょうか。
子どものやる気も同じです。
やる気が起きないときに、親から「あなたなら100点とれる」と言われたら、期待が大きすぎてやる気は失せます。
しかし「漢字だけはおさえたいね」と言われたら「漢字だけならできるかも」と思うかもしれません。
やる気が起きない子に必要なことは、高いハードルではなく、低いハードルです。
ハードルを下げることでやる気は出てくるのです。
親にできることは、子どもに過度な期待をかけることではなく、
ありのままの子どもを受け入れることです。
子どもは、ありのままの自分を受け入れてもらえることで、
目の前のハードルを飛び越えようとする意欲が出るのです。 -
やる気が起きない状態が長引いたら他の原因も考える
やる気が起きない原因は、気持ちの問題だけとは限りません。
外からはわからない頭痛やだるさなど体の不調が原因になっている可能性もあります。
とくに小学校高学年から中学校は、体も心も急成長する時期であり、
さまざまな体の不調が起きることがあります。
やる気が起きない状態や朝起きられない状態が続いているときには、
早めに専門家や医療機関に相談することをおすすめします。
おわりに
親が一番やってはいけないことは「子どもを見放すこと」です。親が「もう知らない」「放っておくしかない」と思う気持ちは子どもに伝わります。
長い人生の中でやる気が出ないときはだれにでもあります。
どんなときでも親にできることは「子どもを気にかけること」です。
どん底の状態でも見放さず、気にかけてくれる人がいれば、子どもは時間をかけて歩き始めます。
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