「勉強する意味」を聞かれたとき! 賢い親の返答例3つと言ってはいけない答え
勉強する意味は、漠然とわかっていても子どもに説明しようと思うと難しいものです。
今回は「勉強する意味」を聞かれたときに答えたい「賢い親の返答例」と言ってはいけない答えをお話しします。
賢い親の返答例3つ
勉強する意味を聞かれたときに、賢い親は「勉強の本質」に触れた答えを言うことができます。
まずは、すぐに使える返答例を3つ紹介します。
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<自分の人生が明るくみえてくるから>
勉強する意味を聞かれたときに、よくある答えが「将来の選択肢が増えるから」です。選択肢が増えることは、とてもいい答えです。
ただし「選択肢が増える」だけでは不十分かもしれません。なぜならば、選択肢が増えるだけでは、勉強する意味が「選択するまで」の期間限定になってしまうからです。
選択肢が増えることで変わってくることは、人生のみえかたではないでしょうか。
自分がやりたいことやなりたい自分が具体的になってきたときに、勉強しておけば道を選ぶ選択肢は増えます。
選択肢が増えた結果、自分の人生の可能性の多さに気がつき、人生が明るくみえてくるのです。 -
<人生を生き抜く力になるから>
大人になって生きていく中で、化学式や漢文を使う機会はめったにありません。人によっては一度も使わないかもしれません。
子どもからみれば「化学式や漢文の勉強する意味はどこにあるの? 」と聞きたくなります。
答えは「人生を生き抜く力になるから」です。化学式を直接使うことはなくても、化学式の考え方が生き抜く力になることはあります。
例えば、水はひとつのものですが、水を化学式にしてみると水素と酸素が結びついていることがわかります。
「ひとつにみえていても複数のものが力を合わせている」という考えは、人生の役に立つのではないでしょうか。
漢文も同じです。漢文をそのまま社会で使うことはなくても、教科書で習った漢文の一文に心が助けられることもあります。
コツコツと貯めてきた知識や考えが、生きるために必要な判断力の材料になるのです。
勉強は、知識が直接役に立たなくても、間接的にぐるりと回って人生の生き抜く力になります。 -
<自分に自信をもてるから>
勉強の一番大きな意味は、勉強してきた経験がそのまま自信になることではないでしょうか。
「勉強」は「強く勉める」と書きます。意味は「強く努力する」ということです。勉強することはラクではありません。
強く努力してコツコツと知識を蓄えてきた経験は、「自分はやるべきときにしっかり努力した」という自信になります。
例えば、勉強して知識を豊富にもっている人は、大人になって人と会話をするときでも話題が豊富です。
ひとつの話から話を膨らませることができるため、人脈も広がりさらに自信をつけることができるでしょう。
一方、勉強せずに知識をもっていない人は、話題が限られてしまうため「自分には関係ない」「自分にはわからない」と思い、自分から壁を作ってしまいがちです。
勉強は生きる力となり、自信となることで自分の人生を明るいものにみせてくれます。
勉強する意味がわからなくなる「言ってはいけない答え」
子どもが勉強する意味を聞いてくるときには、勉強することに疑問を感じているからです。
そのときに「よかれ」と思って言った一言が子どものやる気を奪ってしまうことがあります。
ここからは、勉強する意味がわからなくなってしまう「言ってはいけない答え」を紹介します。
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<受験に勝つためだから>
勉強する意味が小さく軽くなってしまう答えが「受験に勝つためだから」です。
たしかに「受験勉強」という言葉はありますが、受験勉強は勉強の最終目標ではありません。
勉強の最終目標は、充実した人生や満足できる人生ではないでしょうか。受験は、その通過点です。
子どもから勉強する意味を聞かれたとき「受験に勝つためだから」と答える親は意外と多いのかもしれません。
いい学校に入っていい会社に就職すればいい人生が保証される時代は終わっています。
多くの子どもたちは、すでにそのことに気がついています。親から「勉強する意味は受験に勝つため」と説明されたら、子どもは「勉強は苦労の割に得られるものが少ないこと」と思ってしまうのではないでしょうか。 -
<やっておけば損はないから>
答えに困ったとき「とにかくやっておけば損はない」と答えてしまうかもしれません。
たしかに勉強して損することはないでしょう。
しかし子どもは、勉強する意味に疑問を感じたから質問をしています。
「やっておけば損はないから」という答えは、ゴールがみえないマラソンで「とにかく走り続けていればいつかゴールは見えてくる」と言われているようなものです。走り疲れているときにはつらい励ましです。
「やっておけば損はないから」と答える親には、もしかしたら自分自身の後悔が混じっているのかもしれません。
自分自身に「もっと勉強しておけばよかった」という気持ちがあるから、子どもには「とにかく勉強してほしい」という願いを込めるのかもしれません。
その場合は、そのままストレートに自分の気持ちを伝えた方が子どもの心には刺さるのではないでしょうか。
「あのとき、もっと本気で勉強しておけばよかったと思っている。」という一言には「やっておけば損はないから」よりも熱い思いを感じます。
おわりに
勉強する意味を聞いてくる子は、勉強についてまじめに考えている子どもです。
すぐに賢い答えが出てこなくても、親が必死になって勉強する意味を考えている姿は子どもにとってうれしいことです。
紹介した答えが賢い答えのすべてではありません。子どもの様子をみて、一番心に響く答えを考えてみてはいかがでしょうか。
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